「清朝皇帝のガラス」展 in*サントリー美術館

 

中国、清朝時代のガラス工芸です。

 

ガラスと言えば透明なイメージですが、全体的にかなりしっかりと着色されている感じで、物によってはガラスと言うより陶器のような…完全に不透明のペットリと均一な色合いのものも多いです。
表面に施された細工は、一見上から張り付けているようにも見えますが、分厚いガラスの表面を丁寧に削り出して模様を浮き上がらせているのだそうです。
細工部分に色がついている物はおそらく、ガラス本体の色を内側と表面で別の色にしたうえで、削り出すことで表現してあるんじゃないかな。

 

そして、この展覧会で知った「クリズリング」という「ガラスの病気」が興味深かったです。モノであるガラスが「病気」にかかるという話がまず驚きなのですが、これはガラスの成分バランスが崩れることが原因だそうで、劣化が進むといずれ崩壊してしまうのだとか。
「クリズリング」に侵されて劣化が進みつつも、まだ形を保っている作品が展示してありましたが、まるでガラスが鉄のように錆びているようで、空気中の水分を引き寄せるため、表面に水滴が溜まっていました。
「クリズリング」が蔓延したのが康熙・雍正時代、その間の貴重な作品がたくさん失われたことは残念なのですが、これ自体はとても珍しい現象で、知識としては面白いと思いました。

 

フランスのガラス工芸家、エミール・ガレもこの時代の中国ガラスを収集していたそうで、実際のコレクションや影響を受けた作品が展示されていました。
特に「嗅ぎたばこ」を入れるための「鼻煙瓶」という小さなガラス瓶が、細工が細かく、カラフルでとても可愛らしかった。これは集めたくなるのも分かります。

 

ガラス工芸は普段はあまり見ないジャンルだったのだけど、行って良かったです。
撮影可スペースも多かったので、写真を貼ります。