NEGORO 根来 - 赤と黒のうるし展 in*サントリー美術館

 

工芸品は普段はあまり見ないジャンルです。それに、細かい絵や模様が入っているというわけでもなく、とてもシンプルな漆器。ですが、この会場は個人的に入りやすく、雰囲気が気に入ってるサントリー美術館ですし、展覧会チラシの鮮やかな朱色にも惹かれたので入ってみました。

 

これは巡回展で、前回は大阪市立美術館でやっていたようです。

会場内は入口のここだけ撮影可。

 

 

まず「根来(ねごろ)」というのを知りませんでした。

特にだれか個人の編み出した製法とかではなく、中世あたりの古い時代に神社やお寺で使われていた朱の漆器の事で、紀伊国、現在の和歌山県岩出市にある「根来寺」というお寺で製作された朱の漆器が「根来塗(ねごろぬり)」と呼ばれ、その名前が広まって、江戸時代ごろからそれと同じ様式の古い朱漆塗のこと全般をそう呼ぶようになったのではないか、とのことです。

作りは基本的に装飾控えめで、とてもシンプルな実用性重視という感じですが、機能美的な美しさがありますね。

使い込むことで朱がすり減り、下の黒漆が見えてくるという様も、大昔に実際に誰かが使っていたという、温かな痕跡を感じられて味わい深いです。

 

 

下地の上に黒漆を塗り、さらに朱漆を乗せるという、根来の塗りの過程を10段階の見本で紹介したコーナーも興味深かったです。

展示品の中には螺鈿で装飾された祝祭用?と思われるシャモジだとか、太鼓や唐櫃みたいな大きなものもありました。映画監督、黒澤明の旧蔵品というものも。

 

 

可愛くて一番気に入った、花びら型の天目台。

そんなに細部を細かく観ていく感じではありませんが、ゆったりと見て回って、なかなか満足度の高い展覧会でした。