
藤田嗣治は春ごろにSOMPO美術館でも見ているので今年は二度目です。それ以前にもいくつも見ていて、今回と同じ府中市美術館で大きな展覧会を見た覚えがあります。しかし、今回はなんと言っても藤田の「猫」に焦点を絞った展覧会。メインは藤田ですが、他の作家の作品もたくさん見られました。
この会場は、家からそんなに遠いわけではないのですが、微妙にアクセスが悪いです。最初は車で来ようとして、駐車場がいっぱいで断念。後日電車とバスで挑んだけれど、バスは乗っても時間短縮にはならず、むしろ歩いた方が早くね?というくらいで、帰りは駅まで歩きました。前は確かバイクで来たんだったかな…それが正解かも。
会場は入口のここ以外は撮影禁止です。

☆前回の同会場での藤田嗣治展レポート
藤田はあの特徴的な「乳白色」の裸婦や少女の絵も魅力的ですが、猫好きにはやっぱり目を惹かれるのが猫画です。色々なところで藤田の絵を見るたびに、いつも一番足が止まるのは猫でしたから、猫画を集めた展覧会はとても嬉しい。
藤田は自ら猫好きであることをアピールし、自画像に猫を入れたりと、藤田=猫のイメージを作っていたのは意図的なものだったそうです。
油彩画は裸婦などと同じく「乳白色」の下地を使ったものが多いですが、中には紙と墨を使い、「乳白色」の油彩画と同じような雰囲気を出して描かれたものもあって、見比べるのが楽しかった。
藤田の猫画の中でも特に楽しいのが、この擬人化された「猫の教室」。授業中なのに、みんなばらばらでわちゃわちゃしているのが楽しすぎる。細かい部分までまじまじ観てしまいます。
【フジタからはじまる猫の絵画史 作品紹介②】
— 府中市美術館 Fuchu Art Museum (@FuchuArtMuseum) October 23, 2025
藤田嗣治《猫の教室》
1949(昭和24)年 軽井沢安東美術館蔵
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2025 G3942
藤田の猫の絵の中でも、とびきりかわいい猫たちです。
↓つづく pic.twitter.com/Jonq5fOdX2
この先生猫の色や毛の長さが、うちの子にそっくりなんですよ。

あと、東京国立近代美術館の所蔵「争闘(猫)」という作品も何度も見ているのですが、これが制作されたのは戦争画を描いていた頃で、猫で戦争を現しているのではないかと言われているものです。
他ののんびりしているだけの猫画とは違って、不穏な雰囲気なのだけど、単純に躍動的な動物画として好きな一枚です。
藤田以外の作品では、この菱田春草の黒猫もふわふわで可愛かったです。しかし、会場説明では画家自身は「猫は嫌い」だと言っていたという話が紹介されていて、「こんなに可愛く描けてるのになぜ!?」みたいな気持ちが説明文からにじみ出ていたのが面白かった。文章を書いた人はよほどの猫好きなのだろう。
【フジタからはじまる猫の絵画史 作品紹介①】
— 府中市美術館 Fuchu Art Museum (@FuchuArtMuseum) October 18, 2025
菱田春草《黒猫》 1910(明治43)年 播磨屋本店蔵
いきなりですが、フジタではなく菱田春草の猫からご紹介!
洋画が中心の本展ですが、日本画の名作もご覧いただいています。
こちらは永青文庫蔵の《黒き猫》と同年にえがかれた黒猫の子猫です。 pic.twitter.com/vULq90anvV
立体作品もありました。朝倉文夫の彫刻、吊るされたネコチャァンのなんとも言えない哀愁よ。
【フジタからはじまる猫の絵画史 作品紹介⑨】
— 府中市美術館 Fuchu Art Museum (@FuchuArtMuseum) November 28, 2025
朝倉文夫《吊された猫》1909年 H.N.コレクション
洋画を中心とした本展ですが、彫刻作品もご覧いただいています。
本作は、愛猫家で知られ、たくさんの猫の彫刻を生み出した朝倉文夫が、最初に手がけた猫の彫刻です。↓つづく pic.twitter.com/ZC6Ej5ZDIU
他、たくさんのネコチャンを観て大満足な展覧会でした。
そして、いつもはミュージアムカフェなどはあまり入らないのだけど、この日は連れが居たので少し休憩しました。

頼んだのは展覧会コラボの「フジタの猫のティーセット」です。

お茶は、ほうじ茶ベースに山査子、西洋ネズの実、甘草などを入れたブレンドティーだそうです。スパイシーだけど甘草の甘さも感じて不思議な味でした。美味しい…のかな?癖はけっこう強いですが、飲みにくくはないです。
選べるスイーツは「キャラメルバナナタルト」をチョイス。これは特に癖は無く、普通にめちゃくちゃ美味しかった。
輪切りの山査子は猫の眼のイメージらしい。コースターも猫になっててかわいいです。

室内席がいっぱいだったため、仕方なく寒空の下でテラス席にしたのだけど、お店に貸してもらった毛布を掛けて、温かいお茶を飲むのは悪くなかったです。
おみやげも、図録を含め普段より奮発していろいろ買ってしまいました。猫の誘惑は財布の紐を緩めるのです。


この小物は実は今回の展覧会とは関係ないのだけど、猫関連だから手が伸びてしまった。シャノワールのポスターは最近見た覚えがあると思ったら、上野で開催中の「ゴッホ展、家族がつないだ画家の夢」で、ファン・ゴッホ美術館のコレクションにあったものでした。
缶バッジとクリップマグネットはこの府中市美術館で5月頃にやっていた「橋口五葉のデザイン世界」展でのグッズの残りのようです。観れば良かったなあ。
そして、売り場で最後の一つをゲットした藤田の猫カップ。
向かい合って寄り添うように眠るネコチャンが愛しい、藤田の「猫の本」から、「アタラとヘシオネ」という作品をプリントしたもの。可愛すぎて使えないから、飾っておきます。
