アニメ「呪術廻戦」を見た * 今さら?(ネタバレ感想)

 呪術廻戦 
原作:芥見下々
監督: 朴性厚(1期、劇場版) 御所園翔太(2期)

制作:MAPPA

 

はい、今さらです。人気なのは知っていましたが、いまいち興味が惹かれず、全く触れていませんでした。アマプラにあったから、なんとなく視聴。

1期の次に劇場版、そして2期と順番通りに。以下の感想はもちろんネタバレですので未見の方は引き返してください。

 

今作はジャンプマンガ原作のバトルものです。「呪術」を使って「呪霊」を祓うというもので、主人公は超強い呪霊「両面宿儺」の指を飲んでしまい、身体の中に最強の「呪霊」が居るという状態から物語が始まります。

これはなんというか、いろいろな感想が湧きすぎて頭がまとまりませんね。ただ、正直に言って世間様の熱狂ぶりと自分の感情とでは、いまいち齟齬を感じている。

というのもこれ、キャラクターにしても設定にしてもそうなのですが、とにかく他の作品を想起するものが多すぎるのです。どんな作家でもある程度は影響を受けた先人の作品があり、まったくのオリジナルというのはほぼ不可能なのですが、それにしても多すぎる。

「このキャラあれに似てる?ああ、今度はあれか…」という感じで、見ていてノイズになるほどの頻度でいろいろな作品を思い出すのです。しかも、おそらく作者的にはそれらを想起するのは想定通りとして、わざと似せているようなフシもある。オマージュってやつですね。ただ、「気づいてニヤリとする」のがオマージュというものだとわたしは思っているのだけど、これは気づいても「ああ…まただ」としか思えなかったので、やはりわたしとしては「ノイズ」だったかな。

 

しかし内容が面白ければ別に良いのですが、ストーリーの面ではまず、主人公がどうにも主人公らしくなく、目立たないため、序盤は物語に入り込むのが難しかった。虎杖くんは変に捻くれておらず素直な子だから嫌いではないのですけどね。

むしろ捻くれていたのは内容の方でして、まだ序盤あたりのエピソードでさっそくドギツイのをかまされます。

見ているのも辛い、犯罪レベルのいじめを受ける男の子(順平)、そして人間の姿を醜くひしゃげた化け物に変えて殺すという悪役の「呪霊」(真人)。そいつがたまたま?いじめ加害者を殺したため、不用意にも真人に近づいてしまう順平。

かなり危ない展開だけれど、順平くんは主人公の虎杖とも出会って仲良くなります。なるほど、これはきっと、なんやかんやあって真人の恐ろしさに気づき、虎杖に救われて仲間になる展開やなって、思うじゃん?いいえ、順平くんは情け容赦もなく殺されます。

かなり良い人だった彼の母が殺されたのもショックだけれど、そこは展開としては仕方がないとも思った。これは順平くんが今後戦っていく理由になるんだなって。けど違った。彼の母も順平くんも、ただただ殺されただけだった。

なんやこれは…ワイは何を見せられたんや…?と、あまりの後味の悪さにしばし放心。その後にはめちゃくちゃ少年漫画っぽい雰囲気の「交流会編」とか始まるんだけれど、ショッキングな余韻のせいで頭に入ってこねえよ!!

 

露悪趣味というか、なるほどそういう作風ね…と把握しましたよね。交流会では個性的なキャラクターが次々と出てくるわけですけど、この子たちは今後どうなってしまうというのでしょう?

ギャグみたいな見た目のくせいにガチ強のパンダさんとか、おにぎりの具しか語彙が無い子とか、眼鏡で槍使いのかっこいい女の子とか、みんな魅力的だけども…。

作画の良いアクションものという時点で、遊園地の絶叫系的な一定の面白さは保証されているため、飽きることはありませんでしたが、裏腹にずっともやもやした何かを抱えながら見ていた感じです。

 

1期の後は劇場版をひとつ挟んでの2期となりますが、この劇場版の内容も個人的にはあまりピンと来なくてですね…。見た後に調べたら、めちゃくちゃに高評価で、興行収入がなんやらかんやらとか出てきて驚いたくらいなのだけど、えー…そんなに良いですか?これ。

ストーリーは1期の前日譚にあたるもので、主人公が虎杖くんではなく、乙骨くんという別の子です。とりあえず、その主人公がシンジくんすぎてね…。これはもう、声も性格もセリフも全面的に堂々とシンジくんなので、シンジくんだという事で良いのだと思いますが、問題なのはわたしがシンジくんを好きではなかったという事でした。シンジくんって時点でマイナスなんだよ…!!

シンジくんのラブストーリーに興味が無かったというのが個人的に駄目だった一番の理由かな。最後辺りはかなり主人公らしく活躍するため、本家のシンジくんよりはよっぽど前向きで良かったですけどね。

でもぶっちゃけ「その主人公補正を虎杖にくれよ…」とか思ってしまった。こんなに捻くれてない王道的なヒーローものも描けるんじゃないか、ならなぜ虎杖くんはあんなに悲しい目に…。そんなもやもやした気持ちは2期を見るとさらに膨れ上がってしまうのでした。

 

2期はまずみんなの先生にあたる五条悟と、本編では敵役として登場した夏油傑の学生時代を描く過去編から始まりました。友達だった彼らがなぜ敵対したのかという話ですね。

この二人、特に五条さんがかなりの人気キャラクターらしいのだけど、やはりわたしはピンと来ない。なんだ?なんでそんなにことごとく世間様の評価とズレているのだ…。イケメンキャラに興味ないなんてことは無いですよ。主人公の虎杖くんは別として、好きなイケメンキャラは伏黒くんですね。

でも、五条さんはあまりに完璧超人すぎて、なんとも…。とにかく最強らしいのですが、まず、わたしはそもそも「呪術」がよく分かっていないので、五条さんの何がそんなに凄いのかが分かり辛いんです。とにかく彼が出てくれば物事が解決するらしいというのは分かった。

そんな認識なので、過去編もそれほど心動かされることなく見終わってしまいました。夏油さんの目的が非呪術師を皆〇しにして、呪術師だけの世界を作ることだというのは分かった。

 

そして、次はついに「渋谷事変編」です。このエピソードがもう…感情ジェットコースターすぎて、もはや何をどう言えば良いか分からないくらいでして…。

複数のキャラクターが同時にあちこちでかち合い、暴れまわる大きな事件。それも、自分もよく知っている渋谷の街で、建物を粉々に破壊しながら戦うっていう、それ盛り上がらないわけないよね!みたいなエピソードで、実際めちゃくちゃに盛り上がるのだけど、しかしあの露悪的なストーリー展開も付いて回るため、素直に「面白い!」とも言いづらい。ハラハラはしますが、とにかく見ていて苦しいんですよ、ワイは苦しい!!

つまり、めちゃくちゃ容赦なくキャラが殺されます。殺されるシーンや、その後にフォローというか、何らかのエピソードや悲しむキャラクターが出れば良い方で、本当にあっけなく「え?いま死んだの?」ってくらいに、あっけなく死ぬキャラは死にます。あまりに死に過ぎてフォローも間に合ってねえんだよ!!

 

中盤、主人公の虎杖くんが気を失っているうちに「宿儺の指」を何本も飲まされて、宿儺さんが出てきてしまうのだけど、彼は指を飲ませた二人の女子高生をあっさりと処します。

ここは「渋谷事変編」でも特にショッキングなシーンの一つでした。二人は夏油さんを慕っていたのだけど、実は夏油さんはとっくに殺されて、脳みそを入れ替えられていた(これが判明するシーンもなかなかの衝撃)。だから、別人に操り人形にされるくらいなら…と、偽夏油さんを両面宿儺に殺してもらおうと思ったらしい。

でも、露悪趣味なこの物語で「呪霊」がそんな健気な願いを聞くわけないんですよね。殺してくれたらもう一つの指の在りかを教える、と言ったところで「あ、これやばいのでは…」と察した次の瞬間には、女の子の一人の首が飛ばされました。もう一人は大パニック。「嘘!嘘!」という悲鳴が見ているこちらの感情深くに響いてきて、頭真っ白ですよ。

そして無謀にも宿儺さんに自分の技(スマホ?)で攻撃しようとしてやられてしまいます。夏油さんが大好きだから解放してあげたかったというこの二人…。なぜ…なぜ、わたしはこんな話を見せられているのだ…?と、またも放心。

宿儺さんはそれにとどまらず、火山のお化けみたいな「呪霊」の漏瑚と闘いながら渋谷の街をぶち壊し大暴れ。このバトルは作画もかなり気合が入っていますし、最後にはあの傲慢不遜な宿儺さんが、漏瑚の強さを認め褒めるという、なかなか胸熱な展開なのだけど、この直前に起こった出来事がアレでしたから、もやもや感がどうしても邪魔して感動しきれない。

 

そして、一番感情をぐちゃぐちゃにしてきたキャラがやはりというか、あの「真人」です。マヒト…お前は本当に…なんなんだよ、お前はよお…!!

いくら少年漫画の悪役といっても、ここまで憎たらしいキャラはそうそう見ないですよ。島崎さんの名演技によって憎たらしさ倍増。技もいちいち気持ち悪い!

そしてとにかく、しつこい!!まだか、まだ死なんのか!?ってくらいに、追い詰められてもめちゃくちゃしぶとい。仲間はあっさり死ぬのに!こいつは死なん!ってもう、我慢できんくらいにフラストレーションが溜まってきてしまう。

虎杖くんが必死で怒りを抑えながら戦うものの、なかなか勝てない。そんな時にヒロインの野薔薇さんが真人の分身を攻撃し、本体にもダメージが!!

宿儺は自分の身体を使って暴れるし、先輩の七海さんも殺され精神的に参っていた虎杖くんですが、自分にまだ仲間がいることを実感し、我に返って真人を追い詰めていきます。ここの展開は少年漫画らしく胸熱で、ああようやくこの憎たらしい悪役は倒されるんだなって、思うじゃん?

しかし、なんと分身と合流した真人は虎杖くんの目の前で野薔薇さんの顔に触れ、破壊。ここで入る回想シーンがあまりに長すぎるのはどうかと思いますが、そんな回想が入るという事がつまり、彼女の死を物語っている…。

いや、本当は生きているかもしれないけど、しかしせっかく持ち直した虎杖くんのメンタルはまたバッキバキに折られてしまいました。この後、最終的に真人は無様な姿をさらして負けるのだけど、でもこの後の戦いも長い長い。

次に助けに現れる東堂さんは、かなりムードメーカーな性格をしているので絶望感はだいぶ薄れ、頼もしいけれど、最後の最後まで真人はほんとにしつこかった…。

 

そんな風に人間は平気で殺す「呪霊」達ですが、「呪霊」同士ではとても仲が良く、本当に「別種の生き物」だから容赦がないのだなというのがよく分かります。宿儺さんとの戦いで満足げに散っていった漏瑚ですけど、こいつのやらかしたこともわたしは見逃しませんよ。

虎杖くんとのシーンでフォローが入った七海さんはまだ良い方です。中田譲治ボイスの爺さん(名前なんだっけ)と、何より真希さんだよ!!!オマエ!!真希さんを!!一瞬で!!!

というか、あまりに一瞬すぎて本当に死んだのかも分からんくらいでした。この2期だけではその後の言及がなにも無いからなんとも言えませんが、非常にかっこよく好きなキャラでしたので本当に死んでいたら、ゆるさん。漏瑚、絶許。

 

一方で、なかなか活躍ぶりが楽しめたのは伏黒くんです。この子は一応、主人公のライバルか、もしくは相棒的な立ち位置だと思うけれど、他の少年漫画ではよくあるような喧嘩やら、競い合いやらは一切やらない。虎杖くんとは普通に仲が良く、バチバチと火花散らしたりしないのがむしろ新鮮です。

渋谷事変では、仲間のピンチを救ったり、父親をそれと知らずに戦ったりと、役割的にも良い感じで引き込まれました。この父親は、過去編で五条先生に倒されている悪役で、クソみたいな人間性なのだけど、それが復活して息子と戦う展開。しかも最後にはクソなりに、ほんの少し父親の顔を見せて自害する。そしてそのすべてに伏黒くんは気づいていないというのが、なかなかお話としてこみ上げるものがありました。

 

とにかく容赦なくキャラが殺されることに苦しい思いで見ていたのだけど、死んでしまったキャラでも、その人物についてちゃんと描き切っていると思えるものもあります。特にメカ丸と三輪さんの関係とかは良かったですね。

最終盤では謎の「お兄ちゃん」ムーブ、からの「一応聞くけど他人だよな…?」というパンダさんの一言で思わず噴出したけれど、でも笑ってる場合じゃねえよなという状況で、もう分かんねえ!

苦しかったり、素直に良いなあだったり、胸熱だったり、神作画だったり、ギャグだったりと、本当にあらゆる感情をぐちゃぐちゃにされて、わけが分からんし、わけが分からんままにダラダラと書き散らしてしまって申し訳ないです。

ただ単純に「面白かった」とも言えない微妙な感情だというのが正直なところだけれど、見るのがなかなか止められないくらいに、次々と見せられた作品ではありました。

 

最後に作画についてですが、1期からずっとテレビアニメにもかかわらず劇場版みたいな作画が続くのだけど、これは少々やりすぎだったようにも思います。

バトルシーンなど頑張ってほしい部分もあるのだけど、そこはそんなにヌルヌルさせる必要ある?って部分までヌルヌルしていて、作画力の配分がおかしいように思うのです。これほど毎回毎回の「神作画」を視聴者は要求したか?というと、してないと思うんだよね。

そんなにこだわり続けて大丈夫なのだろうか?と思ったらやっぱり大丈夫じゃなかったようで、2期では明らかに枚数足りていないようにガックガクになる場面も見受けられました。

この制作会社は前に、アニメーターが内部告発で愚痴を言っていたみたいな話もありましたが、実際の内情は知らないけれど、もうちょっと手を抜いて良いところでは抜けば良いのに。

 

原作はすでに完結していて、3期は来年の1月だそうで。多分見ると思うけど、とりあえず安否の気になるキャラが多すぎるので…もしかしたら原作を読むかもしれませんが、読まないかもしれません。以上です。